同じものをひたすら撮らせる「うまくならない写真ワークショップ」に参加してくれた友人から「大山さん好きそう」と紹介してもらった写真展。行ってみて感動。好き。好きに決まってる。すばらしい! みんなも絶対見た方がいい。



ギャラリーの場所は、数寄屋橋交差点から高速道路の高架下「銀座ファイブ」に入って2階。すこし新橋方向に行って右側。Googleマップで示すとここ

残念ながら、会期がこれ書いてる時点で明後日木曜日までなのですが、これは必見です。いつも紹介するのが遅くて申し訳ない。

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タイトルの通り香港の路面電車を撮ったもの。ただ、その撮り方がすばらしい。終点に停まっている状態(つまり背景が全部一緒!)を真横から、画面いっぱいに、午後1時〜の同じ光の状態で撮ったもの。2年間あまり通った成果だという。

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会場着くなり、ぼくはずーっと「すげー!」「すげー!」「すばらしー!」と連呼していて、松田さんがちょっと引いてました。いやだってこれほんとすばらしいよ。

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明日と明後日の最終2日間は松田さんが在廊とのことなので、みんな昼休みあるいはちょっとオフィス抜け出すか早めに仕事切り上げて銀座へ行くべき。すごくフレンドリーで撮影についてや香港のお話などたくさんしてくれますよ。エピソードも面白かった。

こういう写真は、いわゆるタイポロジーとよばれる手法で、ぼくも同じようにして団地の写真を撮ってきたわけです。同じアングルでひたすら量を撮る。それが写真の一番おもしろい撮り方だと信じて疑わないぼくにとって至福の写真展でした。

「信じて疑わない」なんて言っちゃったけど、撮り方としては古くて、いわゆる写真表現界隈(なんだその界隈)で受けが良いかというと、そうでもないんですよね。

先日、写真雑誌『PHaT PHOTO』にお呼びいただいて、尊敬する写真評論家のタカザワケンジさんと対談したのですよ(ちょう楽しかった!)。

その時のテーマがまさに「タイポロジー対談」でして。勢い余って「タイポロジー写真こそ至高」みたいなこと言っちゃって、後でちょっぴり不安になったんだけど、松田さんのこの写真見て確信したね。ぼくの言ったことは間違ってなかった、と。暫定ですが今年一番の写真展です。たぶんこのまま確定すると思う。

「もっと引いてまわりの風景入れた方がいい、って言われませんでした?」って松田さんにきいたら「言われました。でもこの画角がベストです。こうやって撮りたいんです」と力強いご返事。ですよねー!

午後に路面電車の終点へ行き、同じ場所に立ち同じレンズで撮る。食事もそばのマクドナルドで。窓から線路を見つつ、良い車両が来たらすぐさま撮りに行くのだという。すごい。定年を期にこのプロジェクトを開始されたというのもすばらしいなあ、と思った。

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↑「これが停まったときはすごくうれしかった」とのこと。確かに松田さんの写真を象徴するようなラッピング。

それにしてもこうして見ると、あらためて広告っぷりがすごい。車体を撮っているけど、画面の大部分は広告なわけでいわゆる鉄道写真っていうのとは違う。じっと見ているといったい何写真なんだろう? って不思議な気分になってくる。いわゆる風景写真でもないし。ほんとこういうの大好き。すてきだ。

うれしいのは、写真集も作っておられること! あまりにすばらしくて4冊買っちゃった。500円。安い! 50000円でも買う! もっと買いたかったけど、買い占めちゃうのもみなさんに悪いしね。

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上の広告が入っていない車両は入口に貼られた解説文の横にあって、この構成もすばらしいと思った。

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「一時期、景気が悪化して広告が減った時期があったんですよ。昨今の中国本土との関係を考えると、この広告は民主的香港の象徴なのでは、と思います」というお話もすごくよかった。ぼくも雨傘革命のデモ(と団地)を見に香港に行ったくちなので。

「何か写真作品を作りたい」と思って試行錯誤した末、ここにたどりついたという。一見窮屈に見えるけど、ルールを決めひたすら量を撮っていく、ということを続けているとあるとき分かることがあるのだ。きっと上記の広告と香港の民主の問題も、あとから気づいたものだろうと思う。これこそタイポロジーのすばらしい点で、写真のパワーだと思う。

楽しむと同時に、ぼくも写真もっとがんばろう! と背筋が伸びる展覧会でした。みんな見に行くべき。まじで。