
尊敬する写真家 高橋明洋さんの写真展が渋谷で行われています。これすごいよ!
- BBQ-jp-Style 高橋明洋 写真展
- 会期 2016年1月26日(火) ~1月31日(日)
- 11:00~19:00 ※最終日は17:00まで
- ギャラリー・ルデコ・3Fにて
"BBQ-jp-Style" と題された今回の写真展、昨年からずーっと楽しみにしていた。で、実際見てみて、大興奮。

↑会場の様子はこういう感じ

↑十数点のプリントが展示されてますが、すべて同じ多摩川の河原の写真。
同じ場所、同じアングルの写真ばかり並んでて、それって面白いの? と思うでしょう。いやいや、これがすげー面白いのだ。
上の写真、バーベキューでたいそう賑わっているが、ちょっとへんだと思いませんか。賑わい過ぎじゃないかと。

↑ちょっと寄って見ると、こんな。人多すぎるよねえ?
花火大会の時などはこれぐらい人いるけど、これはちょっとにぎわいすぎだ。
で、キャプションを見ると「そういうことか!」ってなるよ。

↑2012年5月6日。問題は撮影時間だ。「12:00〜13:30」とある。
そうなのだ。これ、この1時間半の間連続して写真撮って、それを1枚に収めたものなのだ!
2010年から2013年まで4年間のゴールデンウィークにこうして撮影したものが並んでいるというわけ。しかも超高精細。1億数千万画素なので、かなり大きな写真なんだけど、人の顔までくっきり。遠くから眺め、近寄って見入る。1枚をじっくり見るだけでも見所がたくさんあってすごく面白いし、年ごとの比較をしても興味深い。何度も写真の前を行ったり来たりしちゃったよ。
高橋さんに「年ごとの変化ってありますか?」ってきいたら「うーん、とくにないですけど、その年のユニクロの流行がどういうものかが分かるかも」って答えてくださったのもすごく面白かった。

↑どうやって撮ったか、という説明パネルもあります。親切。
中でも圧巻なのが2013年のこれ!

↑すごいことになってる!

↑これはゴールデンウィーク6日間の合成なのだ。
この2013年はさすがに異常に見えるけど、他の年のは「何も言われなかったら、もしかしたら普通に撮った写真だと思っちゃうかもしれない」と思った。前述の花火大会なんかがそうだけど、実際これぐらい人出がある場合ってあるから。通勤ラッシュの品川駅とかふつうにこれぐらいだよねえ。
ぼくらがいかに「大混雑の国」に住んでいるか、ってことだ。
台風や雪で駅がたいへんなことになるのって、要するに列車の本数が少なくなることで、実際は別の写真に収まるはずの人が1枚に合成されちゃう、ってことだ。
そして、もうひとつ印象的だったのはこれ。

↑これ、撮った年見て「あっ」って思った。

↑2011年の5月4日。震災のあとだ。
そう、3.11のあとのゴールデンウィークだ。2時間分の人出とはいえ「こんなにみんな河原で楽しんでたんだ」とわかって、なんだかちょっと安心した。
高橋さんも「地震があって、撮れなくなっちゃうかな、と思ったんですけど、ちゃんと人いました」と。
というように、定点観測の面白さあり、合成の楽しさあり、超高解像度の見応えあり、そしてなんといっても写真作品としてすばらしい。これはみんな絶対見に行くべき!