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山の上の方に建つ住宅のために、団地のエレベーターと通路があたかも「公共道路」になっているびっくり物件がある。それを見に行ったのでレポートしたい。

その通路の様子は上のタイトル画像だ。人が行き来している。左側はなんと団地の外壁。街灯が付いていたり(なんせ「公共道路」だから)、団地の窓から洗濯物が飛び出していたりするのがすごく不思議。

この洗濯物で気がついた方もいらっしゃるかもしれない。ここは日本ではない。香港だ。「Chai Wan」という香港島の東の方、地下鉄の終点の駅前にある団地だ。



地下鉄なんだけど、この終点駅は高架。そして駅前にはかっこいい団地。この駅に降りたときにぼくは「ここは高島平だ!」と思った。(あれも三田線の終点で、地下鉄なのに高架駅。そして言わずとしれたちょうかっこいい団地がある)

「団地マニア」として鳴らしているぼくとしては、海外であろうがこのびっくり団地を訪れないわけにはいかない、とばかりに見に行った次第だ。


↑駅に近い方から見たところ。通路が張り付いているのが分かる。すごい。

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↑エレベーターはバス停の隣にあって、みんなここから上にのぼっていく。

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↑いわば山に登るためのエレベーターなので、この棟の住民以外の人も乗る。

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↑エレベーターが17階に着くと、そこにはこんな風景が。おおおおお!

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↑そしてこれが通路(タイトル画像はこの先から振り返った風景というわけ)。洗濯物がしれっと干してあるのとかすごくいい。

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↑少し離れたところから見るとこんな。すごいなー!

すごい。こんな団地見たことない。高層の団地には必ず必要となるエレベーターを、周辺の他の棟のためのものとしても使ってしまう、というのは合理的ではある。そのために団地の外壁に共用通路を貼り付ける、というのはダイナミックだ。かっこいい。

この団地エリアは、当然のことながらかなり山がちな場所に建っているので、敷地が起伏に富んでいて、それも見どころだ。

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↑敷地全体が坂なので、棟と棟を結ぶ高架通路が縦横無尽に張り巡らされている。

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↑敷地の真ん中に商業施設棟があるのだが、その前の道路がこんな坂。起伏のダイナミックさがわかると思う。

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↑通路の下などにときおり元の岩盤が顔を覗かせていて、その荒々しさにはっとする。ここ造成するのすげーたいへんだったんだろうなー!

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↑通路と地面と超高層の団地群の光景にうっとりしてぐるぐる愛でてまわった。

とにかく人口に比して平らな土地と住宅が圧倒的に不足している香港。その解決方法のひとつが、以前『九龍城を見たかった人たちへ贈る〜「香港ルーフトップ」がすばらしすぎる!〜』の記事で紹介した屋上建築なわけだが、この Chai Wan の山の斜面に建つ団地もまた対応策のひとつだ。

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↑地震の国の人間から見ると、この圧倒的な高層の団地の風景には圧倒される。

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↑くらくらしちゃう。

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↑何度見てもこの壁から垂直に出しちゃう干し竿の風景はすごいよなー。

実は、この団地の存在を教えてくれたのは香港の Dustin Shum さんという写真家だ。ぼくが最も尊敬する写真家のひとりで、同い年であることもあり、そしてなにより彼も団地を撮り続けている人なので、知り合ってすぐ意気投合した。

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↑昨年末彼のギャラリーを尋ねた際の記念写真。後ろに見えるのが、彼の作品。そう、このびっくり団地だ。

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↑「この団地すごいかっこいいね!」って言ったら場所とこの通路の意味を教えてくれたのだ。前出のぼくが撮った写真はこの写真の真似だ。

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↑そして彼はこのすばらしい写真を含む香港の団地風景を収めた写真集を出版している。その名も「BLOCKS」

上の写真で気になるのは、通路だけでなく、その背後に見える階数がポップな書体で書かれた黄色いラインの入ったビルだろう。もちろんこれも見に行った。

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↑数字、色、そしてこの曲面。なんてかわいらしい!

この Chai Wan は工業の街のようで、このかわいい(といってもものすごくでかいんですが)ビルも含め、あたりにはたくさんの工場(こうば)があった。それもまたよかった。

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↑駅と団地との間はこんな雰囲気。

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↑いいなー! こういう街ほんと楽しい。

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↑下の層は工場で、上の方は住宅というこういう建物がたくさんあって興奮した。

つまり、工場と団地の街であって、一般的には日本人観光客が来るような場所ではない。でも、ご覧の通り、ちょうお勧めだ。いつまでもビクトリアピークで夜景でもあるまい。これからは Chai Wan だ! いつか「香港団地ツアー」を開催できたらいいな、と思う。