2011年にはじめて工場写真集同人誌を作ってコミケに参加してみて、それから夏と冬と毎回参加してます。もちろん今年の夏も

同人誌即売会の一番の楽しみは工場好きやジャンクション好きの方々に直接お会いできるってことなんですが(もちろん全国で何千部も売れる商業出版のほうが、多くの人に見てもらう喜びはありますが直接お会いすることができない)、もうひとつは同じようにサークル参加している方々と知り合えること。そこで今回は前回(2013年冬)と今回(2014年夏)出会ったちょうすてきな同人誌をご紹介しよう。

コミケって言うと、なにかと成人向け二次創作が話題になりがちですが、実はその他いろいろなジャンルの同人誌が並べられているのですよ。今まで縁がなかった方でも、ぼくが書くこのブログを読むような趣味の持ち主なら必ず心打たれる1冊に出逢えること間違いないので、次回(2014年12月28日(日)~30日(火)ビッグサイトにて開催予定)ぜひ足を運んでみてください。


■写真・テキストのハイクオリティ「東京エスカレーター」
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はじめてサイトを見つけた時、勝手に「この人は絶対仲間だ!」と思って、そうしたら実際に仲良くなった「東京エスカレーター」の田村さんによる一冊。デイリーポータルZのライター仲間でもあります。

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↑「日本に3基しかないといわれる東芝の垂直落下手すり型エスカレーターが、名古屋駅前名鉄百貨店本店のレストラン街でひっそりと動いている」とのこと。垂直落下!

今回「別冊」として出品していたのは第3号。「特集 名古屋」という、エスカレーターを紹介するのに地域性で迫るのか!という一冊。写真もすてきなんだけど、田村さんのこの同人誌はテキストの面白さ随一だと思う。ちなみに前回2号の特集は「地下鉄」だった。これもいいよ。


■一日の長有り・高層ビル
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今回ぼくが出展したお隣さんは、尊敬する超高層ビルを集めたサイト「BLUE STYLE COM」の中谷さんとそのお仲間のサークル「超高層ビルを愛でる会」だった。こういうのうれしい。

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↑中谷さんの「超高層ビルがメインの空撮写真集<東京編>」なんと空撮ですよ!やっぱりすごいなあ。

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↑個人的には高層ビルに混じって高島平団地が収められているのに興奮した。

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↑これは「萌えストラクチャー」さんの作品。フィーチャーされているのは話題の虎ノ門ヒルズ。あのビルの形をこういう髪型で擬人化表現するとは!って感心した。すごい。

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すぴらさんの「山から高層ビルを見てみよう 西日本編」。生駒山、竜王山などから都市の夜景を見ておられます。これ目から鱗でした。都心周縁の山頂からこういう風に見えるのは関西ならではだよなあ、と。東京だとここまでよく見えないよね、たぶん。

愛で方のバリエーションといい、表現の仕方といい、高層ビル界の方々にはやはり一日の長があるなあ、と思いました。工場ももっとがんばるべき。ちなみに中谷さんはふつうに本屋で売っている本も出しておられます。一番新しいのは「超高層ビビル〈4〉日本編(2) (Skyscrappers Vol 4)」かな。


■ジャンクション鑑賞の先駆者

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ぼくったら偉そうに「ジャンクション」なんて本出してますが、実はこの世界には偉大な先駆者がおりまして、それがこの「JUNCTION MANIACS」を出しておられる柳瀬さん

タモリ倶楽部のジャンクション回に出演されたのを見たことがある方も多いでしょう。ほんと、柳瀬さんはすごいのよ。

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↑今回5冊目は「圏央道、新東名JCTレビュー」。建設の経緯や特徴、独自の批評などがみっちり詰まっていてこれ以上脱帽するには頭皮を剥くしかない、という感じ。

ぼくがもっぱら下から見た目線のランドスケープとしてのジャンクションにしか興味がないのと違って、すごくちゃんとしているのです。これはほんとうにお勧めですよ。

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↑で、今回びっくりしたのは、その柳瀬さんがなぜだか「妄想的 最長片道切符」という鉄道ジャンルの同人誌も出していたこと。

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↑計画されたものの今は実現していない路線やかつてあったが今はない路線が開通していたら、最長片道切符はどういうものになるのか、を研究した一冊。うおー!すげー!

読んだらすごく面白かったんですが、なんせ門外漢なのでうまくレビューができませんすみません。が、これも完売していなければ次回出品されると思うので(たぶん)、興味ある方はぜひ。


■ぼくのコミケの恩人

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ぼくは今回工場とジャンクションの写真集を出したんですが、会場でのジャンル名は「鉄道・ミリタリー」なんですよ。残念ながらまだ「工場」というジャンルができるほど一大勢力にはなっていないので。で、そのジャンルで最も勢いがあるのは廃虚ではないでしょうか。いわば工場などの先輩ジャンルなわけですが、その中でぼくが親しくさせていただいているのは「サークル花粉航海」のあしほさん

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↑今回の一冊は、無人島の教会、観覧者、廃校、団地(!)、浄水場などを収めたお得なものになっていました。すてき。

というように、さすが安定感のある作品です。ちなみにぼくがはじめてコミケにサークル参加した時にお隣さんだったのがあしほさんで、勝手が分からないぼくに親切にいろいろと教えてくれました。この時あしほさんが隣じゃなかったら、今にいたるまで毎回参加するっていうことはしなかったかもしれません。恩人です。


■ダムジャンルはやっぱりすごい

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ご存じ「ダム日和」さん。もはや趣味のいちジャンルとして確固たる地位を占めた感のあるダムですが、コミケにおいてそのジャンルとしての成熟っぷりを見せているのがダム日和さんのサークルでしょう。今回は参加されていなかったですが、前回の一冊が上。これがすごい。溜め息出ちゃう。

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↑ダムが描かれている世界の紙幣を集めて解説した同人誌。すばらしすぎる。

このテーマでタモリ倶楽部に出演されたのでご存じの方も多いのでは。それにしてもこれ内容もさることながら、レイアウト・デザインなど本としてのクオリティがすばらしすぎます。これが商業出版されないなんて、出版社の目は節穴としか言いようがない。その穴をはやく閉じてくれたまえ。ダムだけに。

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↑付録としてリアルダム紙幣がついてきた!


■ドボク鑑賞趣味の充実化を図るユニット

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ドボク界の雄であり異端児、テクノミュージックとドボク趣味を融合させた「テクノポップユニット三鷹」の一冊。今回で4号目。その名も「テクノスケープガイド」。起重機船の記事や浅草雷門前に幻の防空剛健地下街計画があった!や工場見たりするのに便利な双眼鏡のレビューなどあらゆる角度からドボク鑑賞趣味の充実化を図っておられる。いいぞもっとやれ。

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↑しかしなんといってもメインはドボクと音楽。ちなみに川崎の工場に似合うのはBeroshimaの"Acid Las Vegas"だそうです。


■清く正しい同人誌「外蛇口」

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外蛇口である。その名の通り、建物の外にある蛇口。それを集め解説した一冊。このニッチさはどうだ。清く正しい同人誌というしかない。今回は参加していなかったが、次回は参加予定とのこと。前回のものが上の一冊。第2号である。外蛇口テーマで2冊目ってすごい。

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↑こういうものすごく主観的な分類っていいよねえ。蛇口に対して「箱入り娘」て!

実は、これの著者であり友人であるごん助が外蛇口に開眼した顛末はぼくの著作「楽しいみんなの写真」に記録されてます。その後テレビやラジオに「外蛇口鑑賞家」として登場しているので、見覚え聞き覚えがある方も多いのでは。

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↑外蛇口だけでもふつうは意味不明なのに、sらにコインパーキングとの合わせ技。実は彼は1台しか停められないコインパーキング収集家でもあります。彼主催のコインパーキングめぐりツアーの様子は以前DPZで記事にしました。楽しかった。


タイトルにあるように12の同人誌を紹介しようと思ったんだけど、長くなってので残りは後編へ。次は本格的写真集だよ。